ニューヨークの真ん中にタカが巣を作った実話です。
アカオノスリというタカの仲間は、がけの上や高い木の上に巣を作ります。高いところが好きなのは、下の様子をよく見ることができるからです。
大勢の人や車が行きかう大都会にそびえる高層ビルのてっぺんに、タカの夫婦が巣を作ったというのです。
日々多忙の中、街を歩く人々が、2羽のタカを見つけました。
ペールメールとローラという名前を付けて観察していました。
巣は、5番街の高級アパートの上。
ハトよけの作を上手に使って作った巣です。
タカは肉食ですから、巣の下の部屋の住人はたまりません。
骨など混じった食べかすが、上から落ちてくるのですから。
やがて、ヒナがかえり、タカの家族は、ニューヨークの人気者になりますが、12月のある寒い雨の日、巣が撤去されてしまいました。
この後どうなるのだろうと、読み進めました。
喧噪の大都会の中、愛鳥家ばかりではなく、多くの人がタカの家族を眺めつつ、心を癒されていたのでしょう。
人々の声が、大きな力となってタカは現在も、そこに居を構えているというエンディングに、ほっとしました。
実話ということで、息子はいたく感動していました。
小学校低学年から、読み聞かせにも良いお話かもしれません。