「二分の一成人式」、というのがここ最近、小学校で4年生の10歳になる年度に行われるようになった。息子たちがこの行事を行う頃、毎週水曜日の朝に保護者が行う「読み聞かせの時間」で私が読んだ本が、この「金のひしゃく 北斗七星になった孤児たち」である。図書館でこの本を手にした時から、「二分の一成人式」なるものをすると話す息子たちと是非読みたいと思った。この絵本の主人公たちも息子たちと同じ「10歳」だった。同じ「10歳」、同じ「日本」の子供たち。息子たちはこの絵本を読んで、どんなことを思うだろうか、と思った。家で読み聞かせの練習を何度しても、この絵本の持つ重さに胸がいっぱいになり、涙をこらえるのが難しかった。そのような本を、朝の時間に読む本としてはふさわしくないのでは、と思われるかもしれない。それでも私は、同じ「10歳」の息子たちのクラスでぜひとも読みたい本だった。息子とは、幼稚園に上がる前から、一緒に本を読んできた。幼稚園では、息子のクラスで素話「雪女」をさせてもらった。小学校では、低学年の時から、毎週クラスで絵本を読んできた。沢山の大好きな本があるけれど、息子たちの「二分の一成人式」には、この本を読んだ。多くの子供たちの心に、この本が届きますように、と祈るような気持ちで読んだ。私にとっては、思い出深い一冊だ。