ぼくがまだ幼かったころ、おじいちゃんが今より元気で、二人はよくお散歩をして楽しい時を過ごしていました。
子供の世界に映るものは、どんなに小さなものでもすべてが新鮮で大冒険だったこと、読み進めていくうちに自然と自分の幼かった頃を思い出しました。今は亡きおじいちゃん。私も田舎に帰るとおじいちゃんとよくお散歩に出かけました。田んぼのあぜ道には蛙がたくさんいて、とても怖くて動けなくなってしまったこと。おじいちゃんは優しく「だいじょうぶ。こわくないよ」と励ましてくれたけれど、結局歩くことが出来なくておんぶしてくれたこと。大人になった今でも私の大切な思い出です。
ぼくも少しずつ大きくなって、おじいちゃんが言ってくれたように「だいじょうぶ」なことがいっぱいあると分かったのですね。「だいじょうぶ、だいじょうぶ」ぼくにとって、おじいちゃんとの思い出がたくさん詰まった大事な言葉。そして心を強くしてくれるおまじないの言葉。
今度はぼくがおじいちゃんに言ってあげる番。おじいちゃんが元気になりますように…
大人になって忘れそうになるけれど、忘れたくない幼いころの気持ちを思いださせてくれた、素敵な絵本です。心が温かく優しい気持ちになりました。ぜひ大人の方にも読んでほしいと思います。