私が知っていたお話とは少し違いました。
知っていたお話では、こぞうさんが出かける時に、和尚さまが三枚のお札を持たせてやるのですが、この本では、べんじょのかみさまが三枚のお札をくれるのです。しかも色付きのものを。
どちらかというと、前から知っていた方が好きですが、でも、この展開も面白い。べんじょのかみさまが助けてくれるなんて、とても身近な感じでいいじゃないですか。
このべんじょの場面のやりとりも、緊迫したシーンのはずなのに、どことなくおかしくて、子ども達は喜んでいましたよ。
新潟の昔話で、方言がところどころ出てくるので、言い回しがなじめないかと思いましたが、思いの外、子ども達は熱心に聞いていました。こののんびりとした感じの語り口が心地よかったのかもしれません。やはり昔話って妙に人を惹きつけるものがあるようですね。
最後のオチでは、娘がしきりに「私だったら絶対におばばの化けた豆なんて食べたくないな」と言っていました。勿論、私も同意見。やっぱりのみに変身させてつぶす戦法を選択します。
一見のんびりしている和尚さま、なかなか豪胆ですね。