江国香織さんが、「絵本を抱えて部屋のすみへ」の中で一番好きな絵本だと書いていたので、読んでみました。
・・が、残念ながら、絵が好みではなかったんです。
表紙絵でもわかりますが、やや劇画調というか、サリーの顔が少年漫画みたいに見えてしまって。
背景の山や森だけがリアルな描写なのも漫画っぽさを感じた理由かも。
でも、構図に迫力があり、色数が抑えてあるのも、独特の感覚を感じます。
お話は、山にこけももつみに行ったサリーたち親子がはぐれてしまって、同じく親熊とはぐれた小熊が気配だけを聞いておたがいの親を取り違えてしまう、という。よくもまあ無事でいられたなあという感じですが、この時代のアメリカの田舎の大らかさを感じました。
擬音の使い方、こけももがブリキのバケツにポリンポロンポルンと入っていくようすは心に残りました。
訳者、石井桃子さんの言語感覚はステキ。
原語だと、どんな音なのかな。