もし、穴の中に落ちてしまったら...
しかも、ちょっとやそっとじゃ抜け出れない、みんなで協力して力を合わせないと出られないような穴だったら...
でも、その協力しないといけないみんなが、敵同士だったら...
なかなか、おもしろい設定ですよね。
穴に落ちてしまったのは、敵同士の、猫とねずみ。
どうやってこの穴から出るかを、ひたすら一生懸命考えるのです。自分が不利にならないようにね。
何ページかめくるうちに、思わず、こちらも一緒に考えてしまいます。
でも、なんと、穴から抜け出る方法は、意外なところにありました。というか、突然やってきました。
が、自分たちが助かったことにさえ気づかない猫とねずみは、ひたすら穴から出る方法を考えつづけるのです。
お話自体のおもしろさもさることながら、高畠純さんのひょうひょうとした動物の絵が、最高にマッチしています。
みんな一生懸命なの。どうやったら、この穴から抜け出れるのか...
なのに、その一生懸命さとは裏腹に、間がぬけている。そこが、かわいらしくもあり、笑えるところです。