古くなって部品を取替えられながら航海している船と、取替えられた部品を全部集めて再生した船と、どちらが本当の自分なのでしょう。
恐ろしく哲学的なテーマを描いた絵本です。
日々生きるために新しいものを身に着けていく身体こそが自分だと思いたい。
それは命でしょう。
でも、今まで捨てて来たものも自分自身に違いありません。
それらを集めて、もうひとりの自分ができたと想像したら、今の自分よりすごいのかも知れないけれど、命は持っていないでしょう。
それは魂かも知れないし、歴史かも知れないし、幼い頃に思い描いていた理想の自分自身かも知れません。
私は船ではないから、2艘の私自身が出会うことはないでしょうが、この絵本を読んで、様々に空想しました。
どっちが本当の私なのだろう。