題名を何度も、何度も読みました。
いったい、何が『出ない』と言っているんだろう。
そして、表紙の絵の男の子の顔をじっと見ていたら、何を言おうとしているのかが、グッと伝わってきて、題名の意味がわかりました。
ぼくは、いつもおこられる。
いえでも、がっこうでも…おかあちゃんが、しごとでときどきかえりのおそいとき、いもうととあそんでやる。
ぼくがおこると、いもうとはすぐなく。
おかあさんがかえってきたとたんに、またなきだすこともある。
そんなひは、かならずおかあちゃんにおこられる。
おとなって、泣いている結果を見て、泣いていない方を怒ってしまいがちです。でも、それではいけないことを、改めて指摘されました。
子どもの立場に立ってとか言いながらも、やっぱり、おとなの目線、おとなのものさしでしか、子どもを見ていないというのが、実態のような気がします。
黙っているから、悪い子と判断してはいけないことを教えられました。
何がよくて、何が悪いのか、改めて考えさせられました。
言いたいことをグッと我慢している男の子の横顔には、心に秘めたものがあること、そして、その目には、うっすらと涙が浮かんでいることにも気づいてあげないといけないですね。
おとなが読むべき一冊のような気がしました。