表紙には、真っ赤な椿の花が咲いています。
この椿の花を見ると、いつも子供のころを思い出します。
私も小さい頃、椿の花びらなどで遊んでいましたから。
つばきの花で遊んでいるのは、こぎつねコン。
コンにはともだちがいません。
ひとりかくれんぼして遊んでいるのは、こだぬきポン。
ポンにはともだちがいません。
「いっしょにあそぶ、ともだちいないかな。」
コンとポンは、がけっぷちで、お互いむこうに見えるだれかさんを見つけます。
「ともだちって、あの子のこと?」
でも、お互いの親たちは、遊んではいけませんと怒ります。
そして、コンの家でもポンの家でも、化け方の特訓が始まります。
ある日、大嵐のせいで、がけに杉の木が倒れて橋のようにかかっているのに気が付きます。
2匹は早速、一緒に遊びます。
コンはたぬきに、ポンはきつねに化けくらべ。
そして、お互いが入れ替わることになって・・・
子どもは、誰だってともだちになれます。
偏見で相手を判断しません。
純粋で優しい子どもたちをみて、大人たちも心を変えます。
理解がある親で良かったです。
それにしても、怪我をしたとうさんきつねのために、
コンに化けたポンが、お医者さんを呼びに、
山ふたつ超えて走る姿は、感動しました。
文字数が多くとても長いお話ですが、
家族の対比の面白さや、コンとポンが友だちになれるかどうか、
化け方の練習、ほんとは優しい親たち、などなど。
最後まで飽きることなく読むことができると思います。
コンとポン、ともだちになれて良かったです。
お互いの親たちも、仲良くなれて良かったです。