ベスコフの「もりのこびとたち」という絵本と同じ様に、
構成の工夫の仕方が好きです。
文字は全て左の頁に書かれていて、
右の頁は絵だけ!
しかも、周りを白く囲んだ、ぼかし絵のような描き方なので、
スーとその世界に引き込まれていくように感じます。
絵だけを追っても、満足感たっぷりですね。
おにいちゃんが座っているベンチの隅から、
チョコンと顔を覗かせるねずみ。
「アッ、画用紙の切れ端をくわえてどこかへ・・・。」
と、何かが始まりそうな期待で、ワクワクします。
細やかな表情と優しいタッチで描かれた登場人物や動物達。
よしみの背中に寄りかかって描いているキツネや、
一端の画家気取りのトカゲやアリ。
おにいちゃんの言うとおり、
「ほんものの まほうの えのぐ」ですね。