冬のある日。
お日さまがまったく顔を出さなくなってしまった
はるか北の国の女の子、ルシアの冒険ファンタジーです。
闇夜の森で 苦しくなった時、
そして ここ一番の時にルシアが思い出したのは
大好きなお母さんと まだあかちゃんの弟のこと。
家族のことを思えば頑張れるし 勇気も力も湧いてくるものだ
…そんなメッセージが伝わってくるようでした。
そういえば この冒険に出かける時に彼女が最初に身につけたのは
お母さんの編んでくれた靴下と帽子と手袋。
大変な時に子どもの心を支えるのは
いちばん身近にいる家族ってことなのでしょうね。
(私も子どもにとってそんな存在でありたいなぁ。)
それにしても 当たり前の存在であるお日さまがなくなってしまうなんて
この世の終わりを想像させられるようでもあり
ルシアがお日さまを無事取り戻した場面では
その光の明るさや暖かさを感じる絵にホッとしたり
また お日さまから受ける恵を改めてありがたく感じたりもしました。
割と大判サイズの絵本です。
寒くて怖い森の様子や
ルシアやお母さん、弟の豊かな表情が
間近に迫ってくるようなダイナミックな絵に
心をひきつけられる絵本でもありました。