いや〜これ、いいですよ〜!
今、うちの下の子が国語の授業で、「やまなし」をやっているんですが、私は個人的に「やまなし」よりもずっと心に残ったし、わかりやすいお話だと思いました。
自分自身、若い頃にいくつかの宮沢賢治の有名どころは読んでいましたが、最近地域の勉強会(読み聞かせの会)で「宮沢賢治の作品を取り上げてじっくり読んでみよう」ということになり、改めていろいろな作品を少しずつ読んでいます。
この「いちょうの実」は、宮沢賢治が書いていること自体全く知りませんでした。こんなお話も書いていたんですね〜というのが、一番最初に思った感想です。
また及川賢治さんのイラストが、ものすごく物語にあっていました。
いちょうの実の子どもたちを人間に具象化したら、本当にこんな感じではないでしょうか。
とても可愛かったです。
この物語の中で、一番グッときたのは
『そして今日こそ子供らみんな一緒に旅に発つのです。お母さんはそれをあんまり悲しんで扇形の黄金の髪の毛(いちょうの葉ですね)を
昨日までにみんな落としてしまいました』
いちょうの木の生態として間違えた描写はしていないし、なおかつ、“旅立つ子どもたちを案じている”という内面的なイメージを具象化したものもしっかりと伝わってきて、すごい一文だなと思いました。
これなら小学校の中学年くらいから十分楽しめる内容です。
読み聞かせなどで、ぜひ子どもたちに紹介していきたいと思います。