しばしば「あなたは海派? 山派?」みたいな質問を耳にする。
これってアウトドア派の人にはいいけれど、インドア派の人には、どちらもな、みたいなことになる。
では、夏派? 冬派? だったら、どうだろう。
暑いのが好きか、寒い方がいいか、みたいなことだろうが、何となく夏は行動的で冬はじっとしているみたいな感じがする。
それって、やはり太陽の強さか何かが影響しているのだろうか。
朝、元気に「なつさがし、いって きまーす」と家を飛び出した女の子の絵本を見ていると、この子の元気がうらやましくなる。
夏のすがすがしさも気持ちよくなる。
この絵本の作者杉田比呂美さんは絵本作家ではあるが、私には本の装幀画などを手がけるイラストレーターの印象の方が強い。
しかもその絵は特に何かを強く主張していないのだけれど、あ、この絵は杉田さんの作品だとわかってしまう、そういう独創性が感じられて、私は好きだ。
特に少女の絵がいい。
まだ大人になりきれていない、棒のような身体、それでいて何かを感じる力は人一倍あったりする、そんな少女。
杉田さんの絵の魅力といっていい。
そんな女の子と「なつさがし」をする、そんな絵本なのだ、これは。
例えば、「ペタンタン ペタンタン」と歌っているようなぞうりの音。
例えば、「むうっと はっぱの こい におい」。
例えば、「おひさまが バリバリに かわかした せんたくもの」。
誰もがそうだ、そうだ、夏っぽいと思えることが、絵本いっぱいにひろがる。
やっぱり、夏って、太陽の強さが元気をくれるのだろうか。