まつぼっくりの冒険は、まさに人生の旅とも言えますね。
このお話を読みながら、ドナウ川に沿って旅をした、夫の故郷までの風景がそのまま甦ってきました。最初は、このお話の川のように、ドイツの森の中を細く流れるドナウ川も、夫の祖国に着く頃には、川幅2キロ以上もある大河となり、やがて黒海へと注がれていきます。
林を抜け、谷間の村を潤し、にぎやかな都会の中心を流れ、たくさんの危険や出会いをまつぼっくりに与えながら、ただひたすらに流れ続ける川。その中で、まつぼっくりは、この大冒険をたっぷり楽しみました。
そして、長い旅の終わりに待っていたのは・・・。
大人が静かに楽しめる絵本かもしれませんね。