海の水が上がってくるたびに、上へ上へ増築されてできた、つみきのいえ。
思い出を積み重ねてできたその家に、おじいさんはひとりぼっちで暮らしていました。
ある日、おじいさんは大切な大工道具を海に落としてしまいます。
下へ下へ…おじいさんは潜ります。
まるで昔の思い出に導かれるように。
ひとつひとつ思い出に触れるたび、寂しさと愛しさがおじいさんを包みます。
おじいさんには、つみきのいえが全てなのです。
けれども過去は過去。
二度と戻ることはできないけれど、思い出にはいつでも会いにいけます。
読んだあとは切ない幸せで胸がいっぱいになり、泣いてしまいました。
ゆっくり、じっくり、大切に読みたくなる絵本です。