文は、文化人類学者のアリス・マクラーレンによるもの。
「永い年月がもたらす変化の凄さとか、ひとつの命に託された何かが時間を超えて、受け継がれていく素晴らしさに魅せられて、一人類学者としての夢を描いてみました」
とのコメントがありますが、この絵本の素晴らしさを正に表現しています。
山と小鳥の壮大な物語です。
永遠に近い生命を有する山に対し、小鳥はその子供に同じジョイという名前を継承することで、物語は展開していきます。
山が流す涙が、大きなドラマとなって山の想いが結実する最終ページに感動せずにはいられないことでしょう。
気が遠くなるような長い時間をかけたラブストーリーで、そこには愛の普遍性といったテーマにも取り組んでいるように思えます。
文章が長いので、読み聞かせよりは、自分で読める年代になったら読んで欲しい一冊です。
美しい文と、エリック・カールのコラージュが見事に溶け合った作品なので、大人の絵本としても心に響くものがあります。
また、贈り物としても、喜ばれること受けあいの絵本だと思います。