クリスマスイブの朝、おもちゃ屋のショーウィンドウに
並べられたホリー。
クリスマスカラーの衣装を身につけ、子どものもとへ
行けるのをじっと願うホリー。
その願いを意地の悪い言葉で、遠ざけるおもちゃの
ふくろう。
おもちゃたちは、それぞれにクリスマスに子どもたちを
もらえるか!どうかを深刻に話し合うのです。
赤のドレスに、緑のペチコートのホリーが愛らしい。
絵本を開くと、見返しは赤。
美しい絵本です。
字数は多いのですが、苦にならず読み進むことができます。
こどもさんが一人で読む場合は、中学年以上でしょうか。
やや長めの文章ですので、、
次女は、この本を小さなアイビーになぞらえて
読んだようです。
そして、身寄りの無いアイビーという六歳の少女が
出てきます。
この子はクリスマスをひとりぼっちで過ごすため、
幼子の家に向かうのです。
たった一人で、、
クリスマスの祝いで賑わう町並み。
そして、アイビーが一人パン焼きがまのそばで、
眠る描写。
ホリーは、
わたしのクリスマスの女の子が会いに来てほしいと
願いを続けるのです。
イブの夜、真夜中に教会の鐘の音を聞きながら。
ここにもう一方、こどものいないジョーンズ夫妻が
出てきます。
ジョーンズさんの奥さんは、美しいホリーを見かけ
こども時代を思い出します。
そして、もみの木を買い求め、赤いキャンドルに
火を灯すのです。
そして、、ちいさくつぶやくのです。
「どこかで、、ちいさな女の子がみつからないかしら、、」
ちいさな人形のねがい、、
それは叶うのかもしれない。
作家、挿絵画家、、どちらも亡くなっているのですが、
この本のちいさなねがいは、永遠に受け継がれていく
ことでしょう。
クリスマスの祈りが聞こえてくるような、、
あたたかい絵本でした。