ロシアのウクライナ侵攻が収まらない今、何を考えれば良いのか、児童書でありながら、子どもたちの眼を通して大人たちに厳しい問いかけを促すような本です。
どうして、ロシアがウクライナに対して攻撃を始めたのか、歴史背景を掘り下げていくと、ロシアにも言い分はあることが浮かんではきます。
だからといって、多くの人命を犠牲にすることが正統なのかというと、子どもたちを殺戮することに義などありえません。
未来を犠牲にしてまでも、大人は過去と現在にこだわろうとしている醜さを浮き彫りにしている書籍です。
国際的な約束事が機能していないことも、実感してしまいました。
国際連合が機能を果たせないなら、教科書で学んでいる平和と世界秩序は絵空事にしかなり得ません。
戦争にルールがあることも、改めて知りました。
ルールに従っていれば、人は殺し合いを許されるのでしょうか。
緊張関係はあっても、破綻しない社会秩序を持続させることこそが、未来保証だと思うのですが。
考えるとすごい本ではあります。