深いメッセージが込められた作品です。
地味な絵ですので、なかなか手にとられないかもしれませんが、
原始的なエネルギーを感じました。
アフリカの少年ヤクーバが、戦士になる儀式に臨みます。
たった一人で、ライオンを倒すという課題を前に、
ヤクーバは瀕死のライオンと対峙します。
そこで、そのライオンから二つの道を提示されます。
殺して戦士の称号を手に入れるか、殺さずに軽蔑されるか。
ライオンの言葉が力強いです。
この問い掛けがもつ意味を考えさせられます。
白黒だけの絵ですが、そのアングルに迫力があり、
緊迫感が伝わってきます。
表題にある「勇気」というものを考えさせられた気がしました。
柳田邦男さんによるあとがきもぜひ読んでほしいです。