表紙いっぱいにほんわかくまさんのお顔。
くまさんが主人公のお話かと思ったら、ちょっとちがっていました。
王さまの赤ちゃんでも、ごくごくふつうの家庭に生まれた赤ちゃんでも、求めるものは同じですよね。
それは、ものではなく、心と心を通わせることのできる相手です。それは、まずお母さん・お父さんだと思いますが、その次にくるのは、おもちゃではなくお友達です。
お姫様のもとにやってくるはずのくまさんだったけど、紆余曲折があって、ストレートにやってこなくて本当によかった。くまさんだけがお友達だったら、かわいそうですよね。
今江さんの訳、語りかけの口調が気に入りました。ふっくらくまさんは、最初だけで、あとはずっとくたくたくまさんだったけど、そんなくまさんへの愛着が今江さんの文によって増していったと思います。