こども島で一緒に生活している二人の男子のケンカの話。
2001年刊行。
小学生くらいの男子のケンカの様子や、その後の二人の微妙な心の変化などを生き生きと描いている。本当にリアルで、自分の子ども時代にもこんなことがあったのを思い出した。
文を担当している柴田愛子さんは、保育歴30年(出版当時)というから、実際に現場でよく見て、しっかり覚えていらっしゃるのだと思って、感心した。
絵も実に生々しく、よく描けている。ブーたれて泣きはらした顏などは、近所に実際に居そうだ。知り合いの人が子ども時代にこんな顏だろうと思う顔もあった。給食の様子や、和室の様子などが、温度も匂いも感じられそうな勢いだ。
大人になっても、似たようなケンカをしている私たち。
あのころ、大人はすごいと思っていたけど、年だけとって中身があまり変わっていないのだとよくわかる。
大人は泣きつく相手もいないし、相手が仲直りを申し出てくることも少なくなってくるので、しっかり頑張って生きなければと思う。