火の星と水の星、と副題にあります。
漆黒の宇宙に上下に浮かぶ二つの星で同時進行で物語が進みます。
それぞれ平穏に暮らしていたのですが、
価値観の違いからすれ違いが生じるのですね。
火の星、水の星、どちらも自分たちのペースで穏やかに暮らしていますが、
一旦そのペースが乱されると、事態は悪い方向へ。
どちらも、自分たちを守るためにしているだけなのに。
何がいけなかったのか。
読者への宿題です。
金の星が逆さ絵になっており、それぞれの神様になるのが暗示的。
細密画のごとくたくさん描かれたそれぞれのアイテムには、
そこここにサブストーリー。
窮地に陥った双方の解決策は、少しヒントがありそうです。
なかなか哲学的な壮大な作品です。