少し前まで、ありとあらゆる細かなことにイライラしっぱなしだった私。ふと鏡を見たときにあまりの険しい表情に愕然とした自分にライオンに重ね合わせて読んでいました。自分でもわかっていながらも感情の持って行き場の無い毎日の中で、処理しきれない心のトゲを丸めてくれたのは素敵なレストランでも、贈り物でも無く、誰かの、簡素だけれども心のこもったたった一言でした。私はその言葉を取り出しては眺めたり、飲み込んだり。きっとそれはライオンにとってのやなぎの木と同じだったのでしょうね。
ほんの少し寄り添うおうとする勇気を持つことで、お互いの気持ちを分かりあえ、悲しさや辛さ、楽しさを共有していくことのかけがえのなさ。きっとこれは大人にとってのあらゆる人間関係にも投影できることのように感じました。
子どもにももちろん読み聞かせたい本ではありますが、毎日いらいらとげとげすることの多い、仕事を懸命にこなす女性にも読んでもらいたい一冊です。