『ish』が原題。
表紙の子どもが殴り書きしたような線が、実は題名なんですね。
「・・・のような」「・・・みたい」という意味のようですが、
「っぽい」という意訳に感嘆です。
ラモンは絵を描くのが好きだったのですが、
お兄ちゃんに写実的でないというようなことを言われて絵が描けなくなってしまいます。
ところが、妹が「ish」と評価してくれて、ラモンは絵を描く気力を取り戻します。
同じ作者の『てん』と同じような展開ですが、『てん』の進化型のような気がしました。
というのも、絵だけではなく、文章、さらには「いい気持ちを味わう」という境地にまで達するからです。
この感性、素敵です。
中川ちひろさんの訳文がとても心地良いです。
原文も読んでみたいですね。