この絵本、10年ほど前に私自身が友人からプレゼントしてもらったことのあるもので、その当時読んだ時はすごく寂しさが残ったんです。
色も白黒だし、お話もすごく不思議で人間はほとんど一人しか出てこないし、動物たちは消えちゃうし‥で全然当時は好きになれませんでした。
最近見つけてあー懐かしいなぁって思いながら子供に読み聞かせてみました。
10年経って読んでみた感想は、なんだか不思議な心地よさ。
相変わらず静けさは終始漂う絵本なのですが、動物たちがなぜか主人公に惹きつけられてみんなで音を奏でながら個性を持ちながら行進していく様子。
みんなで満喫した後、お父さんが迎えに来て、動物たちは消えてしまう。けれど主人公はみんなに「また来るからね」と呼びかける。
なんだ、お父さんはちゃんと迎えに来てくれるし、主人公も動物たちをちゃんと忘れず思いやっているじゃない。
子供を持った今そんなふうに思うことができました。
子供がドキドキする世界に足を踏み出しても、必ず最後には親が見守り迎えに来てくれる‥なんだか親の安心感みたいなのを感じました。
今は私が娘達に安心を与えられる存在なんだなぁって。守ってあげるからねって。
読む環境によって感じ方がこんなにも違うのかと不思議な気持ちになりました。
今ではとてもよい絵本だなと思えます。