早春にコバルトブルーの花を咲かせるオオイヌノフグリが主人公。
雑草に分類される植物ですから、とても地味な存在なのです。
だから、ちょうちょがやってきても、なかなか相手にされない、という訳です。
よその花に行ってしまうのを残念そうに眺めるばかり。
写実的な丁寧な絵なのに、本当に植物の声が聞こえてくるようです。
オオイヌノフグリを生き物として、しっかりと描写しよう、という
作者の意気込みと思い入れを感じます。
雑草の持つ倹しい佇まいも共感できます。
子どもたちにとっては、ちょっとした科学絵本になると思います。
できれば、巻末に、出てきた雑草の名前や、ちょうちょの種類も解説がほしかったです。