私は、エリック・カールさんの本では、この絵本が一番好きです。
「お月さまってどんなあじ?」とか、「月へミルクをとりにいったねこ」とか、お月様を扱った絵本は楽しい絵本が多いような気がします。丸くなったり、細くなったり、いろんな形に変わるお月様。どんなところからも見えて、でも、けして手が届かない。そんなところが想像力をかきたてるのかな。
でも、この絵本はすごい!そういう常識をくつがえしています。「パパ、お月さまとって!」娘のモニカの願いを、パパはかなえるんです。長い長いはしごを持って、高い高い山に登って、お月様が三日月になり、持って帰れる大きさになったところでほんとに取ってくるの。
モニカは、お月様と飛んだり、踊ったり、抱きしめたり、投げたりして遊ぶんですね。そして、どんどん小さくなっていったお月様は、ぽっと消えてなくなった後、また、夜空に戻ってくるのです。
ページを上下や左右に広げて読めるのも楽しいし、明るく大胆な色使いも楽しい絵本です。