ゆめか…まぼろしか…突然、行進を始めた電信柱たち。
これは、…軍隊。
当時のこどもにとって『軍』は、畏怖の念を抱くとともに、憧れの存在。
圧倒的な威圧感とそれに対する羨望の双方が伝わってきます。
これが、人間ではなく電信柱というところが、この物語の不可思議で面白いところ。
響き渡る歌声、無数の足音、蒸気機関車の石炭の匂いまでが伝わってくるような迫力です。
現代のこどもにとっては、耳慣れないことばと、時代背景。
ちいさな子には、難しい部分も多いと思いますが、ある程度、時代背景が理解できるようになれば、すごく楽しめる作品です。
そして、現代の作品とはまた違う魅力に、惹きこまれることと思います。