母子家庭で育った「ぼく」は、母が亡くなり、叔母さんの家に引き取られます。
孤独な「ぼく」と心を通わせたのは、この路に住む三本足の野良犬。
その交流が淡々と語られます。
いせひでこさんの絵は、淡く、心情まで映し出しているようです。
まさしく、絵で感じる作品です。
あの路で出会い、あの路で別れる。
あの路は三本足の犬そのものだったのかもしれません。
時が過ぎ、大人になった「ぼく」が、列車内でしょうか、
手に持つ書物にはそっと「Mon Ami」(私の友だち)とありますね。
「ぼく」と三本足の犬に幸せあれ、と願わずにはいられませんでした。
小学校高学年くらいからでしょうか。