2010年読書感想文低学年の部課題図書。
くまくんは、一人暮らしのおばあちゃんといっしょに住むことになって
大喜びします。
でも、おばあちゃんは物忘れがひどくなっていくのでした。
くまくんとおばあちゃんのやりとりから、
おばあちゃんの狼狽やくまくんの気遣いが感じられます。
さりげなく描かれたおばあちゃんの様子から、老いというものを体感できそうです。
おばあちゃんの必死の抵抗が、「むねとんとん」なんですね。
でも、そんな不安を吹き飛ばすのがくまくんの成長。
最初は戸惑いながら、反発しながら、ちゃんと受け入れていく姿に
心が温かくなりました。
しかも、おばあちゃんからの知恵をちゃんと受け継ぐよ、という
くまくんの成長の証もしっかりと描かれていて、嬉しく思いました。
老いをテーマにしていますが、重苦しくなく、
くまくんとおばあちゃんのやり取りから、ほんのり感じられる、
まさに、子どもたちにはちょうど良いテイストの作品だと思いました。