森まつりの日に、大吹雪にあったみんなが見たものとは?
信じる者だけに必ずやってくる、静かな奇跡の贈り物−。
これは、上質なメルヘンです。
何とも言えない色合いの藍色の挿絵が、ハッとするほど美しく静謐ですがすがしい。
森の小さな動物たちの純真な気持ちと、それに応えるように現れた神秘的なゆきのこうまが、読む者の心をきれいに洗い流してくれるようです。
仁科さんの絵本に出てくる小さな動物たちは、いつも私たちに自然の美しさ、豊かな恵み、そしてそれを大切にすることを教えてくれます。
そして、私たちの周りにある美しい自然に目をとめるみずみずしい感性を、純粋な心を忘れずに持ち続けようと思わせてくれます。
この巻は、シリーズの最終巻ということで今まで出てきた登場人物たちが次々現れます。
「あっ、『おいしいありがとうにでてきたよ。』」と、子供の声。
もう会えないのかと思うとちょっぴりさみしいです。
また、いつかどこかで、違った形で会えるといいなあ。