以前、訳者の柳田さんのインタビューを拝見し、そのときから気になっていた絵本です。
今回立ち読み企画で読ませていただきました。
主人公の7歳の少女ネリー。
お話の冒頭では、ある事情から両親がいなくなった3きょうだいが、別々の親戚に引き取られるところが描かれます。
そして、お話が進むにつれ、両親は亡くなったこと、事故だったことが明かされていきます。
孤児、、、悲しい響きです。
親を失い、きょうだいがばらばらに過ごさなくてはならなくなってしまった悲しみ。
でもこのネリーたちきょうだいにとっての救いは、周りの大人たちがみんなとても親切で心の温かい人たちばかりだったことでしょうね。
「悲しみは消えないけれど、いま、わたしはしあわせ」
このセリフに涙がこぼれました。
ラストシーン、窓辺でつぶやかれるネリーの決意。
自分の現状を受け入れること、そしてその辛さをしっかり受け止めた上で明るい未来を夢見ることができる強さ・・・
心をうたれます。
わが子は6歳、ネリーとほとんど変わらない年齢です。
逆境にあっても、ネリーのような強さを持てるのかどうか・・・
ついついわが子と重ね合わせて読んでしまいました。
息子もこのお話を読みましたが、表面上のお話は読み取れても、もう一つ深いところまでは理解できなかったようです。
人生経験をさらに積んで、年齢が上がったときに読み返したら、心に響くのかもしれません。
比較的年齢の高いお子さん、そして大人の方に読んで欲しい1冊です。