母親を亡くしてもけなげに生きるふき。
ふきのたったひとりの友だちの大男の大太郎。
山の暮らしの中で心を締め付けられるようなせつない物語です。
それが、父親を青あおおにに殺されてしまうなんて。
心の支えをなくしたふきの姿、青おににかたき打ちするだけしか考えられない姿…、読んでいて息苦しくなる展開です。
少し長めの文章ですが、最初のところから息が抜けない。
これだけ悲しい話が絵本になる。絵本の世界の幅広さと深さを感じました。
滝平二郎さんの絵にある昔の日本へのノスタルジーはこのような物語にぴったりなのかもしれません。