レオ=レオニの描く、ちょっと不思議な世界。
副題が、『仮面にとりつかれたねずみの話』
これだけで、少し、恐怖を覚えます。
ウィルシャーの森の奥まった片隅で、のねずみたちが平和に暮らしていました。ある日、街のねずみがやってきて『マルディ・グラ』というお祭りの話を聞かせてくれました。街の祭りのまねをしようと取り掛かったのですが、仮面をかぶり、しっぽに色を塗っていくうちに、ほんとうにけだもののように叫び、憎しみと疑いが渦巻くようになってしまったのです。
レオ=レオニの描くネズミは、表情にあまり変化はないのでうが、仮面の下の表情を想像するだけで、恐怖心が募ってきます。
心の変わりようには、驚きばかりではなく、ゾッとしました。
このことで、作者は何を伝えたかったのか、少し難しい心のうちが描かれているような気がしました。