3年1組では、班毎に一週間の忘れ物の数を競い、一番忘れ物が多かった班の班長が代表して、「わすれんぼう」という手作りの帽子をかぶされます。競争に負けた罰ゲームのようなものですね。
忘れ物の数を競い合ったり、連帯責任として班長が代表して帽子をかぶせられるという方法は、私は好きではありません。このような先生がいるならば、猛烈に抗議します。
救いは、この絵本が、いつも忘れ物をしてくる女の子、おおきさんが、どうやってそのピンチを切り抜けているかということに中心をおいていることです。
忘れてしまったものは仕方がない、忘れたことに気を病むのではなく、どうすれば忘れたことから生じる問題を解決できるか。おおきさんは、いつもいろいろなアイデアで、乗り切っていくのです。
忘れる物をすることを奨励をするわけではありませんが、ピンチに陥ったときに、どうすれば良いだろうかと考えることの方がずっと大切だと思います。
そして忘れてはいけないのが、おおきさんのコミュニケーション能力です。生徒にも先生にも事務員さんにも顔がきくのが、おおきさんのすごいところなのです。いろいろな人に助けてもらいながら、ピンチを脱出しているんですよ。
表の見返しの「おおきさんのわすれものコレクション」や裏の見返しと裏表紙の「わすれんぼうのつくりかた」を見ているだけでも楽しい絵本です。小学小・中学年にピッタリです。