でんしゃにのると しらないひとばかり。
しらないひとどうしって
みんなしらんかおの つめたいかお。
でもね、こんなことがあると
しらんかおのほっぺが ぽっとあかくなって・・・
こんな前書きで始まるこの絵本、本文は、がったん がたたんたん・・・電車の揺れる音しかありません。
絵をじっくり見てください。
女の子のバスケットからねこが飛び出して、男の子がつかまえてくれます。すると、白黒で描かれていた女の子と男の子がカラーになるんです。
急ブレーキで、おばあさんの持っていた毛糸玉が転がると・・・?
知らない者同士の間に、ちょっとしたできごとによって、心地よい空気が生まれる。これをふれあいっていうんですね。それを言葉ではなく、絵でみごとに表した、異色の絵本です。
人間不信になりそうな事件ばかりが目につきますが、まだまだどこにでもこんな光景が見られる世の中を信じたいですね。