急な金欠で学習塾と塾のオプション「遊び塾」のスタッフになった大学生の新太郎は、小学生たちに もみくちゃにされる。昔の子どもさながらに、体をいっぱい使って遊ぶ、遊び塾の子どもたちは元気いっぱい、というか超ワイルド。彼らを統率する立場の塾長、正宗さんはかなり大雑把な性格で、新太郎は何かにつけ大変なのだった。だが、新太郎にとって、子どもたちはいつしか大事な存在になっていた。
正宗さんはいい加減そうで、ポイントは抑えていて、その辺の兼ね合いが絶妙。天性の教育者という気がしたが、彼のやり方は個人塾だからこそで、今の学校現場ではもちろん通用しない。(小心者の私は、季節外れの海で子どもを遊ばせる場面など、何か事故でもあったら・・・と心配してしまった)
小型の大人、おりこうさんの子どもを作る、今よくある子育てや教育とは違うおおらかな遊び塾の様子は、ハラハラしながらも読んでいて面白かった。本来、子どもはこんな風に、子どものパワーを全開して遊び、人と関わり、そして してはいけないこと、するべきことを自然に学んで育つのが良いんだろうな、と思った。
親や先生など、日頃 子どもに関わる大人にもおすすめ。