『じゃがいも畑』『ふれ、ふれ、あめ!』などの絵本があるカレン・ヘスの読み物です。
1930年代、大恐慌、干ばつと明るい話題がない時代。
アメリカのオクラホマの小麦農家の14歳のビリー・ジョーの目を通して描かれています。
日記というのか散文的で、分量はありますが、殊の外早く読めました。
事故で母と生まれたばかりの赤ちゃんが亡くなるという出来事が途方もなく大きくのしかかってくる感じがありました。
ビリー・ジョーがジャムのことを思い出せば、母に作り方を聞いておきたかったと思い、日常で起きることを母に話したいと思う気持ちがとても痛切に感じました。
両親を亡くしてわかったことですが、母のことは日常生活に結びついているので、一日に何度も母のことを思い出すからです。
過酷な出来事はありますが、読後感は爽やかでした。
14歳というと自分とは?自分の存在を深く見つめる時期でもあります。中学生以降のお子さんに読んでいただきたい作品です。