赤、青、黄色の3つの○が目に鮮やかな表紙。何となく「あおくんときいろちゃん」をイメージして、いろいろな色が出合って、色を混ぜたりするタイプのお話かな?と思っていました。でも、この絵本のアイデアは、そんな私の想像をはるかに超えて、群を抜いていました。
この絵本は、仕掛け絵本・・・といっても、従来の仕掛け絵本と聞いてイメージするものとは全く異なるタイプ。絵本に書かれているシンプルな指示内容から、読み手、聞き手を巻き込んでいく壮大なスケール。このアイデアを絵本にしようと思いついて形にした作者はとてもユニークな人なのだろうと思いました。
「○をクリック」「本をゆすろう」といったページに書かれている指示に従うと、次のページではあら不思議。カラフルな○が様々に変化して、読み手、聞き手の目を楽しませてくれます。
「次は何をするのかな?」「それをしたら次のページで○はどうなっているのかな?」
思いがけない変化も楽しいし、想像通りだった時も「やっぱりね」って嬉しくなるし、興味津々、こどもたちが夢中になること間違いなしですね。
こどもたちに読み聞かせをしていると、静かにお話をきいてくれるのも嬉しいですが、みんなが一緒に絵本の内容に参加できて、次々に起こる予想外の展開に盛り上がって、次は?次は?ってどんどん夢中になれるお話って、そう多くはないものです。
普段の読み聞かせとは違って、クリスマス会など特別なイベントの時、大型絵本なども使う園児さん対象の読み聞かせの時などに最適な本だと思います。