初めて読んだのはもう20年以上前。
シンプルな線で描かれた、シンプルな内容が印象的でした。グリーンを基調にした本の装丁、今見ても全く古びていないですね。
ある男の子とリンゴの木のお話です。
男の子は家の近くにある、リンゴの木が大好き。遊んでくれるし、実がなったら食べさせてもらえるし優しい木だから。
木もそれでしあわせでした。
でも、男の子は大きくなっていきます。思春期を迎え異性が気になり始めると、木の与えてくれる楽しみに満足できなくなってきます。
木はそんな男の子にとことん尽くしますが。。
最後には切り株になってしまうリンゴの木。「どうしてそこまでしてあげるの?」と子供心に思いました。
英語タイトルが「Giving tree」だと知ったのは大きくなってからです。
今でも、木が切られるシーンでは胸が痛みます。でも、木が望んだことなんですけどね。
人生について、幸福について深く考えさせられる絵本です。
勿論、お子さんがそんなことを考えずに手にとっても充分楽しめると思います。
本当にいい絵本というのは子供から大人まで幅広く受け入れてくれるものですね。