森の広場で、動物の子どもたちが話しています。
「子ジカのぼくは大きくなったら、お父さんのようにりっぱな角が生えるのさ」
「子ヤギのわたしは大きくなったら、お母さんのようにいっぱいおちちを出すわ」
「子グマのぼくは大きくなったら、お父さんのように森で一番大きくなるんだ」
みんな、大きくなったら自慢できることがあるようです。
みんなが、子ぎつねの兄弟に聞きました。
「大きくなったら、どうなるの?」
子ぎつねたちは、何も言えずに家に帰り、お母さんに聞きました。
「ぼくたちは大きくなったら、どうなるの?」
お母さんは、なんと答えたでしょう?
そして、お父さんは?
幸せになることに、条件はいりません。
姿が変わらなくても出来ることが増えなくても、大きくなったその子が幸せなら、世界一幸せなんです。
自分と他の人を比べるようになる前の小さな小さなお子さんに、何回も読み聞かせてあげたい絵本です。