サイズも形も風変わりな作品なので手に取りました。
作・絵共々フィンランドの方の作品です。
あまり人気のない村でボタン職人をしている主人公ペトルス。
粘土でもくもくとボタン作り励む彼は、素敵な古いボタンを持っています。
村の子どもたちは、このふしぎなボタンにまつわる話が聞きたくて、よくやってきます。
それは、100年ほど前にいたプアンという名の貧しいボタン職人のお話。
体が弱いプアンを家族は労わり協力し、プアンはどのボタンにも渾身の思いを込めこだわりを持ち、魂を傾け仕事をしていました。
効率の悪い仕事ぶりに、周囲の村人は嘲笑し彼の仕事を軽視していましたが、ある日この小さな村へ王様が直々おいでになり、馬車の御者がボタンを一つ拾いそれを目にした王様は・・・。
結構長いお話です。
しかし、読み応えがありました。
中高学年ならば満足する内容だと思います。
息子も、職人のプロフェショナブルな姿勢に感銘を受けたようです。
エンディングは、日本のお話の流れになれている私には意外でしたが、そえはそれでお国柄が出ている作品と納得。
最後の、“名人にとって 仕事はどれも さらに良い仕事をするための 修行だ”という一文が心に残りました。
大人の方も考えさせられるお話だと思います。