ある死火山のすそ野のかしはの木のかげに、大きな黒い石がありました。
周りの小さな黒い石たちは、それをベゴと呼んでいました。
ベゴ石はとても気のいい火山弾で、みんながベゴ石をからかって馬鹿にしても、決して怒りませんでした。
そんなある日、ベゴ石は研究者の目に留まり標本として大学へ連れていかれる事に…
ベゴ石はきっと、あの場所も、こけすらも好きだったんだろうと思います。
みんなからかいながらも、いつも自分に声をかけてくれる。
そんな日々も、今日でおしまい。
お日様の光や青空、雨のお酒や雪の団子、楽しみにしていた雪の冠。
もう、自然を感じることができなくなる…
ひとりぼっちで寂しい場所へ行くのです。
連れていかれたベゴ石を見て、みんなはどう思ったのでしょう…
今までベゴ石に意地悪言って、散々甘えていたんでしょうね
いなくなってわかる大切さ。
この作品には、そんなメッセージが込められているのかなぁと感じました。