孫娘と二人で暮らしていたぶたばあちゃんは、
このごろちょっと調子がよくありません。
ある日、回復していないのにぶたばあちゃんは、
起きてきてほんのちょっとだけご飯を食べると、いいます。
「さて、きょうはいそがしくなるよ。」
自分の死を悟って、銀行の口座を閉じ、すべての支払いをすませ、
「目のごちそうをしよう」といってこの世の見納めに、
雨や緑・風を楽しみ静かで安らかな時間を過ごすのです。
そうしてぶたばあちゃんは・・・。
悲しいけれど、生命の最期には、こうした静かで安らぎのある時間を
過ごしながら迎えたい。誰もが感じる
素敵な一生の終わりの日のことや
それを看取る周りの人々への優しさを丁寧に描いて
やさしくつづっています。
表紙やタイトルからはとうていそうぞうの付かないお話しに
驚きながらも、感動しました。
一緒に読んでた娘も、「悲しいけれどとても充実した
日々を過ごすことのできたぶたばあちゃんは、今も幸せに
過ごしてると思うよ」と話してました。