死を迎える時の姿を描いた作品です。
「死」という言葉は出てこないのですが、静かな中にその時を迎える緊張感が漂っています。
登場人物は、ぶたばあちゃんと孫娘だけ。二人が支えあって慈しみ合って生きてきた様子もよくわかります。
ぶたばあちゃんの、「その時」を迎える姿は、立派なのですが、私は遺される孫娘が心配になってしまいました。
今まで自分を守ってくれた人が弱くなり、立場が逆転することで、いろいろ自分でするようになったり、心が強くなったりする様子はわかるのですが、本が始まってから終わるまでの時間では、孫娘が一人で生きていくまでの覚悟を身につけるには短すぎるような気がします。
旅立つ者と遺される者。どちらにも等分に配慮してあればもっと良かったように思います。
死を扱った本は難しいですね。