黒くて綺麗じゃないから仲間ハズレにされているネリノ。でもそのことを恨みに思ったり、仕返ししてやろうとしたり、不運だと嘆いたりはしません。仲間ハズレにされているという設定がすごくかわいそうに思えるんですが、そういう状況でも気持ちが澄んでいるネリノがすばらしいなと思わされます。
みんな誰でも生まれつき、いいところも悪いところも、丈夫なところも弱いところも持ち合わせています。ネリノは寂しさを経験してそのことを知り、等身大の自分をうけとめているように思います。
ただ見た目が黒いからと仲間ハズレにしていたきょうだいたちも、そんなふうに心がせまくて意地悪だった自分たちのことを必死になって助けてくれたネリノの心のまっすぐさと強さに気づいたからこそ、仲良くできるようになったんだと思います。
絵もとてもきれいで、娘もつい惹かれてしまうらしく、図書館で何度も何度もこの本を借りたいと自分で探し出してきます。