評判どおりの作品で、とても楽しかったです。気候がよくなり外で遊ぶことが多くなったので、ありさん関連絵本がもう少し欲しいなあと思っていました。ちょうど復刊ということで、いいタイミングでした。
作品は、野原に残されていったすいかの一切れをありたちが巣に運び入れるまでのかわいらしいドキュメント。構図がいいので、面白みがストレートに表れています。一匹一匹の表情を追っても、全体を眺めても、どちらでも楽しめるイラストです。配色に無駄がなくて、特に黒(影)の使い方が効果的だと思いました。
読んでいる最中の娘の嬉しそうな顔……、まさに至福のひとときです。読み終わった後、彼女は「これ、だ〜い好き!」と絵本を抱きしめていました。お話はシンプル、長さが適当なこともあり、以後、何度もリクエストが出ます。最後に滑り台で遊ぶところは、「中身を取ったから、皮が軽くなってみんなで運べたんだ」と妙に納得していました。食べものと虫のテーマは、子どもの目線では不滅とあらためて感じました。すいかの季節には絶対、おすすめです。