タイトル通り、ずばりともだちのことを書いた絵本です。
和田誠さんのシンプルなイラスト、
谷川俊太郎さんの短い文章が心地よく、
大人でも子どもでも頭にスッと入ってきます。
「ともだちって」、「どんなきもちかな」など
ジャンル分けされた構成です。
少しずつ、ともだちって何?と思いながら
自分の心の中や記憶の階層を見て回るような感じ。
最後の数ページは異国の写真数点、
さらに詩で締めてあり、
より気持ちに迫るものがあります。
「クラスのみんな、ともだちだよー」
小1の娘は読んだ後、笑ってそういいました。
微笑ましいものです。
親の私は読んでいる間、
学生時代のほろ苦い経験や語り合った日々などの
いろいろな記憶が立ち上がってきて
なかなか読み進めませんでした。
歳を重ね、環境の変化とともに
娘もこの本の印象がきっと変化するのでしょう。
谷川さんのインタビューを読んでびっくり。
ご本人はともだち要らない派なんですね!
冷静な視点から十分にともだちを見つめて作られたから、
この絵本は読む人の気持ちや記憶を
まるっと写すように引き出すのかもしれません。
「ともだち」って熱い、大きなテーマですが
説教臭くなく、大げさでもなく
ただただゆっくり語りかけてくれます。
自分なりのともだちへの想いを気づかせてくれ、
大事にしたい気持ちが湧いてくる。
深い絵本です。