主人公の“ぼく”がお風呂に入ると、次々と色々な動物が
登場してきます。そして....という話です。
一言でいうとファンタジーの話ですが、
その話の展開がものすごくテンポがよくて、スムーズで、
しかも林明子さんの絵ととてもマッチしていて、
文は長めですが、一気に読めます。
次々に登場する動物の登場の仕方もとても素敵です。
つながりがあって、センスのよさを感じます。
子供も次には何が出てくるのだろうと、興味津々で、
一気に引きつけられました。
また全てのページが黄色がかったオレンジ色を使っていて
温かみがありますよね。
これが水色とかだったら、また印象が違ってくることでしょう。
くじらやカバが一緒に入れちゃう風呂って、もしあったとしたら、
どれだけ巨大なんでしょう?!
ありえないって思いながら、でも、絵の中に納まってしまって
いるとストーリーに真実味を思わず感じてしまいます。
「お母さんの一声で全て消えるのが残念」と
他の方が感想に書かれていますが、私は逆にそこが好きです。
現実に戻る瞬間に無理がなくて。
でも、逆に、一番最後のページの最後の文、
「きみも、おふろがすきですか?」
は、ちょっと不要だなあって思ってしまいます。
この投げ掛けがない方が、ファンタジーの余韻にひたれると
思うのは私だけでしょうか?
絵・文も林明子さんの『こんとあき』もファンタジーで女の子が主人公
ですが、こちらは男の子が主人公、ファンタジー続きで読むのに、
この2冊はちょうどお薦めです。
ちょっと長い話が大丈夫になったお子さんに、
また、絵本を読みなれた(聞きなれた)お子さんに、
そして、お風呂嫌いなお子さんにも!、
是非、お手にとって読んでみて下さい。お薦めです。