「雅子さまの思い出の宝物」
なる帯付で、書店の店頭で見た時、天邪鬼の私は、
「絶対買わね〜」と思っておりました。
しかし、あるきっかけで入手してきちんと読んでみて、
その奥深さが理解できました。
ストーリーは単純な繰り返しのパターン。
ウサギのぼうや(多分)がベッドに入り、
眠りにつくまでにいろいろなモノ達に
”おやすみ”と語りかけていく。
その背景に流れる”静寂”が実に気持ちいい。
シーンとした部屋で聞こえる、暖炉のまきがはぜる音。
おばあさんのゆりいすがきしむ音。
床でじゃれあう子猫。
こそこそと動き回るねずみ。
ちかちかと瞬く星。
そんな静寂が部屋の明かりと一緒にフェードアウトしていく。
自分の意識もフェードアウトして、いつしか眠りの底へ。
とても心地よい静けさがあります。
正直、初めて読んだ時は「なんのこっちゃ」と思いました。
何度も読まされて、自分の中にだんだんと眠りに落ちていく
子供の様子をイメージできた時初めて面白いと感じることが出来ました。
ウチの娘も好きですが、寝る前にこれを読んでも皆さんのように、
すっとは寝てくれません。
「天井さん おやすみなさい」
「電気さん おやすみなさい」
「まくらさん おやすみなさい」
と、目に見えるものや思い出したものを挙げてずっと
「おやすみなさい」を繰り返しています。
困ったもんです。
このほんの中に3枚の絵がかかっています。
1.「ウサギが川のなかで子ウサギを釣っている」絵
2.「めうしがお月様をとびこす」絵
3.「三匹のくまがいすに腰掛けている」絵
なのですが、1は「ぼくにげちゃうよ」に出てくる1場面です。
他の2枚の絵も別の作品の1場面なのでしょうか。
どなたかご存知のかたがいればお教え下さい。